イーサリアム(ETH)は木曜日に3600ドルまで急騰したが、この上昇はすぐには終わらない可能性が高いと、暗号資産ヘッジファンドZXスクエアード・キャピタルのパートナーであるフェリックス・シュー氏は語った。

「今週発表されたあらゆる経済データを見ても、急激な反落の可能性は低い」とシュー氏は木曜日、コインテレグラフに語った。

ETFへの資金流入とFRBの不透明感が強気要因

シュー氏は、米国の現物イーサリアム上場投資信託(ETF)への資金流入が、ETH価格の上昇トレンドを支える主要な要因であると指摘した。とくに水曜日には、取引開始以来最大となる7億2700万ドルの流入が記録された

「これらのコインはそのままコールドウォレットに保管され、すぐに売却可能な状態にはならない」とシュー氏は述べた。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)に関する不透明感もETHにとって強気要因だとした。

「マクロ環境は混在しているが、有害とまでは言えない」とシュー氏は語る。6月の消費者物価指数(CPI)はやや上昇したものの、トランプ大統領がFRBのパウエル議長に対し、最大3ポイントの利下げを求め続けている点に言及し、「政策リスクは依然としてリスク資産にとってハト派方向に傾いている」とした。

「ETFへの資金流入が突如として止まり、FRBが急激にタカ派に転じない限り、2024年10月に起きた30%の全面反落のような展開になる可能性は低い」とシュー氏は述べている。

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Ether is up 7.55% over the past 24 hours. Source: Nansen

記事執筆時点でETHは3609ドルで取引されており、過去30日間で43%の上昇を記録している。

年内に1万ドル到達は「ハードルが高い」

とはいえ、年内にETHが1万ドルに到達する可能性は低いとシュー氏は見る。複数のアナリストは1万ドル予想を出しているが、シュー氏は「1万ドルという水準は、わずか5カ月強で190%の上昇を意味する。これは2017年のICOブームと、2020~21年のDeFiブームの2回しか達成していない」と述べた。

「こうした上昇はやや無理がある」としつつも、シュー氏は、ETFへの資金流入が力強く継続し、ETHのステーキングがETFに組み込まれ、投資家のリスク選好が強まっていけば、イーサリアムがネットワークとしてさらに広く採用される中で、1万ドル到達の可能性は十分に開かれていると述べた。

「イーサリアムのユースケース加速。たとえばリステーキング、レイヤー2ロールアップの急成長、新たな用途領域の拡大によってETHの流通量が絞られ供給が引き締まるだろう」と指摘。「この価格上昇は1万ドル未満で頭打ちになる可能性もあるが、すべてが連動すれば、1万ドル到達の“サプライズ急騰”も否定はできない」とシュー氏は語った。

この見方に呼応するように、サピエンの共同創業者トレバー・コヴェルコ氏も、1万ドルという価格は投機的ではあるが「完全にあり得ないとは言えない」と述べた。

「これは野心的な水準だが、強いマクロ要因、ETFのさらなる普及、そしてイーサリアムが次世代金融システムの中核となるというストーリーが広まっていけば、到達は不可能ではない」とコヴェルコ氏は語る。

「ETHはもはや投機的な賭けというより、プログラマブルなデジタル資産としての性格が強まっている」とも付け加えた。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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